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競馬コラム「極ウマ日記」 | 極ウマ・プレミアム

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[2019年9月21日14時53分更新]

翌日はソウル郊外の牧場へ

再び牛山です。

日本馬のいなかった今年のコリアスプリント、コリアカップ。例年ならレースの翌日は原稿の締め切りなどに追われたりしていたのですが、予定がポッカリと空いてしまいました。そんな月曜日の朝。突然、ある方からメッセージが。韓国・龍仁市にあるチサンファームのホン・スンオ代表(41)でした。以前、コラム「南でも関でも」にも書きましたが、5月に牧場を訪問。今回は天気が悪く、牧場に行くのは無理だろうと思い、連絡していなかったのですが…

ソウル南部ターミナルの入口

どうにか昼過ぎまで雨に降られずに済みそうな天気予報。それならばと連絡すると「どうぞ来てください」というので、急いで南部ターミナルに向かいました。

発車直前に乗り込んだ市外バス

地下鉄の南部ターミナル駅を下車してから、隣接するターミナルをバスが発車するまで約10分。自動券売機でチケットを発券し、車内で食べるお昼ごはんとお茶を買い、ドアの閉まりかけたバスに飛び乗りました。

巨大なサムガクキムパプ(三角のりごはん)

お昼ごはんはこれ。すぐに買えそうなものがほかに見当たらなかったので選びましたが、これがマシイッソッソヨ(おいしかったです)。そして、なかなかボリューミー(笑)

上「(株)チサンファーム」(法人名)。下「チサンホースランド」(休養牧場としての牧場名)

市外バスに揺られること約45分。そして再会したのは…

クリソライトとホン・スンオ代表

第1回コリアカップの覇者、今年からチサンファームで種牡馬生活を送っているクリソライト(牡9)です。代表は種付けした繁殖牝馬も紹介してくれました。ちなみに代表はクリスチャンだそうで、今年から生産を始めるにあたって新築した分娩厩舎を「ノアステーブル」と名付けたそうです。そこにいたのは…

クリソライトを受胎しているトンヘテンテンテン(牝5、父マイネルセレクト)

マイネルセレクト産駒の韓国産馬でした。ほかにアンクルモー産駒やマイボーイチャーリー産駒など、クリソライトを種付けした繁殖牝馬は6頭。韓国でのクリソライトのネームバリューを考えると少ない頭数に思えますが、いずれもチサンファームの繁殖牝馬。まだ大きくはない牧場の規模の問題もありますが、代表は韓国の生産事情も考慮したようです。現状は韓国馬事会が無料で種付けする成績のいい種牡馬に優秀な繁殖牝馬が集まるため、多くの牧場は韓国馬事会の種牡馬を種付けできなかった牝馬に民間牧場の種牡馬を種付けするという構図になっています。あまり優秀ではない牝馬に種付けして成績の上がらない産駒が増えるよりは、最初は自分の牧場にいる牝馬だけに種付けした方がいいという方針。来年以降、ほかの牧場からオファーがあった場合は、その牝馬を審査して種付けするかどうかを判断したいとのことでした。

日本の繁殖牝馬セールにも参加してクリソライトの種付け相手を探したいと話していた代表。もともと乗馬場だった牧場の周辺には農地が広がっていますが、産駒が走れば、その農地を買い取って牧場を大きくしたいとも話していました。代表のような新進の生産者たちは、日本のように競馬ファンがスターホースを追いかけて競馬場や牧場に足を運ぶような時代が韓国にも来ることを夢見て頑張っています。

【牛山 基康】

[2019年9月20日21時29分更新]

コリアスプリント&カップ

牛山です。

既報の通り、今年は日本馬が招待されないという事態になりましたが、ソウル競馬場でコリアスプリント(韓国G1、国際リステッド、ダート1200㍍)、コリアカップ(同、ダート1800㍍)を取材してきました。もう2週間前のことになってしまいましたが、振り返らせてください。

コラム「南でも関でも」でも紹介したように、スプリントを制したのは1番人気に推された韓国馬ブルーチッパー(騸4、キム・ヨングァン)でした。

コリアスプリントを快勝した韓国のブルーチッパー(手前)

これで8戦7勝。トモに弱いところがあって3歳時は1戦もできませんでしたが(出走取り消しが1回)、4歳4月に復帰すると連勝街道まっしぐら。これで6連勝です。

ブルーチッパーの左からキム・ヨングァン調教師、チェ・ビョンブオーナー、ユ・ヒョンミョン騎手

チェ・ビョンブオーナーは「負担重量を考えると、もう韓国ではG1くらいしか出られないでしょうから、無理はできませんが海外遠征も考えなければなりませんね。今年は距離経験のあるスプリントに出ましたが、短距離馬ではないので、来年はカップを目指します」。

コリアカップを制した韓国のムナクチーフとムン・セヨン騎手

ブルーチッパーがスプリントに回り、主役不在となったコリアカップは、4番人気の韓国馬ムナクチーフ(牡4、キム・スングン)が2馬身半差の完勝。スローペースを嫌って向正面で先頭に立ち、そのまま押し切りました。韓国リーディングのムン・セヨン騎手のファインプレー。

優勝騎手インタビューを待つムン・セヨン騎手

今年は韓国ダービーも制したムン・セヨン騎手。ゴールの瞬間はダービー以上に吠えていました。インタビューもいつも以上にハイテンションで、かなりのロングインタビュー。

1番人気に推された米国のローンセーラー

カップの1番人気は米国馬ローンセーラー(牡4、T.アモス)。G3オクラホマダービーの勝ち馬。G1で3着2回、プリークネスS5着、BCクラシック6着など、2勝馬ながら、ひょっとするのかなと思わせる成績でしたが、10着に惨敗。日本や韓国の「砂」を克服するのは難しいようです。

昨年のカップ2着馬ながら3番人気だった韓国のトルコン

韓国馬のなかでは昨年2着のトルコン(牡5、ペ・デソン)が最上位の3番人気でしたが、末脚不発で5着止まりでした。え? 馬名が違う? いやいや、これを間違いと言われるのはちょっと…

トルコンは騎乗予定だったヨハン・ヴィクトワール騎手が負傷したため、「韓国のレジェンド」パク・テジョン騎手が1週前の調教から騎乗

3月のドバイWCに出走。日本で馬券が発売され、彼の馬名はローマ字表記のDolkongを日本語読みしたと思われる「ドルコン」になってしまいました。「ドルコング」にならなかっただけよかったですが、ハングル表記の発音は「トルコン」。ハングルの「平音」という子音は、語中や語尾では濁っても、語頭では濁らないという規則があるためです。
有名どころで説明すると地名の釜山。ローマ字表記はBusanですが、一般的なカタカナ表記はプサンですよね。「それならPusanでいいのでは?」と思った方。実際、昔の表記はPusanだったそうです。ところがハングルには語頭以外でも濁らない「激音」と呼ばれる子音もあり、それをローマ字で書き分けるための表記法の変更によりBusanとなりました。
最近は日本でも交通機関を中心にハングル表記が増えましたが、駅名もこの規則に従っているようです。例えば東京。併記されているハングルを韓国のローマ字表記で表すとDokyoになります。ご理解いただけましたでしょうか。

トルコンのゼッケン(1文字目が「トル」、腹帯で隠れている2文字目が「コン」)

ちなみにトルコンの馬名の意味は「小さくてかわいい」と登録されています。韓国語で「トル」は「石(いし)」、「コン」は「豆(まめ)」。直訳すれば「いしまめ」だと思うのですが、確かに米国産の牡馬にしては小柄な馬体。それをソウルから釜山に遠征した6月30日の帰国初戦で452キロまで減らしてしまいました。2カ月の休養で476キロまで戻しましたが、昨年より着順を落とす結果。スローペースだけが敗因ではなかったのかもしれません。

というわけで長々と書いてしまいましたが、翌日の話もお伝えしたので、もう少しお付き合いください(つづく)

【牛山 基康】

[2019年9月16日15時41分更新]

JRA Anniversary!

 

今日9月16日はJRAアニバーサリー!
いろんなイベントをしていて大盛り上がり。


私は、運試しに来場ポイントキャンペーンに参加してみました。
A賞がオリジナルクオカードセット
B賞がオリジナルトランプ
C賞がクリアファイル
だったようなのですが、、

なんとびっくり、A賞が当たりました!!
紙袋もかっこよくて、さすがJRA太っ腹ですね。


いろんなキャンペーンをやっているのでみなさんも参加してみてください!
【三嶋 毬里衣】

[2019年9月4日13時12分更新]

牧場見学ツアー2日目(写真多数)

松田です。

3週間ちょいの北海道出張を終え、久々の自宅です。せっかくなので2、3日にかけて行われた牧場見学ツアーの2日目を振り返りたいと思います。

2日目は日高育成牧場の敷地内にある軽種馬育成調教センター(通称BTC)を見学し、ノーザンホースパーク、ノーザンファーム早来、社台スタリオンステーションを訪問するという流れでした。朝6時出発だったんですけど、JRA職員のモーニングコールで目を覚ましたために全体の出発時間を10分遅らせてしまったのはここだけの秘密です。前日飲みすぎました。反省。ぺこり。

気を取り直してバスでBTCへ。高台から敷地を眺めても、全部の土地が見渡せないんだからすごい。芝馬場はサッカーのコートが100面とれるほどの広さ。でかすぎてイメージがわかなかったんですけど、W杯のグループリーグから決勝までの試合数を同時にできちゃうくらいのサイズなんだとか。なんかもう、スケールが「北海道!でっかいどう!」って感じなんです。

日高育成牧場。高台から施設を眺めることができます

そのほかにもコースがあったり、坂路があったり。インドをはじめ、海外からやってきた多くのライダーも日本の競馬界を支えています。昨年のJRAでの勝ち馬の約2割がこの施設を利用したことのある馬だと聞きました。朝7時ごろからBTC滞在馬の調教が始まったので、屋内坂路を駆け上がる馬を見ることができました。

日高育成牧場の坂路。屋根付き

そんでもって、今年のフェブラリーSを勝ち、BTCで調整中のインティにも会わせてもらいました。オーナーブリーダーである武田ステーブルの武田茂男代表によると、秋はみやこSからチャンピオンズCに向かうとのこと。チャンピオンズCを勝てば、最優秀ダート馬選出の可能性がグッと高まると思います。

フェブラリーS優勝馬インティ

およそ1時間かけて場内を見学してから、昼食がてらノーザンホースパークへ。3時間弱の移動中は爆睡。これで元気になりました。歳を重ねるごとに肉体の衰えを感じます。お酒が弱くなったのか、ただ単に飲みすぎなのか

ウインドインハーヘア

こんな自分とは対照的に、28歳になってもファンを笑顔にさせているのがウインドインハーヘアです。ディープインパクト、ブラックタイドなどのお母さん。ディープは7月30日に急逝してしまいましたが、こちらはまだ長生きしてくれそうです。

午後はノーザンファーム早来へ。ノーザンファームは早来、空港、イヤリング、しがらき、天栄からなる日本最大の牧場です。早来だけでも東京ドーム51個分の敷地があります。桁外れの規模ですよね。

ノーザンファーム早来。放牧中の風景

ノーザンファーム早来の坂路。雪が積もらないように屋根の形も工夫されている

屋根付きの坂路、コースは全天候型。雨の日も、風の日も、雪の日も馬たちは未来の栄光を目指して調教されます。育成馬にコース調教を課す際、ノーザンファーム早来では牡馬がダート、牝馬はポリトラックをメインに走ります。屋根付きの坂路ができたのはキングカメハメハ世代が育成されていた時期。試行錯誤の段階で04年ダービー馬をこの牧場から出したんだから、馬の力もあったにせよ、相当画期的なものだったんでしょう。

ノーザンファーム出身の馬たちは毎年のようにJRAでの勝利数、獲得賞金で前年比超えを果たす活躍をしています。以前、吉田勝己代表に話をうかがった際、「何でもチャレンジしてみることが大事。いいと思ったものは全て取り入れる」とハングリー精神を持つことの大切さを説いていました。そのために人、馬、施設への投資は惜しまない。あのウォルト・ディズニーだって「現状維持では衰退するばかりである」という格言を残しています。牧場内を案内してくれたノーザンファーム事務局の宮本氏も「スタッフが強い馬をつくる中で、常に考える機会を与えられています」と話してくれました。高い目標設定とそれをこなす実行力があるからこその躍進。さすが世界と渡り合う大牧場です。

最後に向かったのが社台スタリオンステーション。種牡馬たちが繋養されている牧場です。この日はこちらにいるほぼ全ての馬を見せていただきました。メモを取りながら写真を撮ったので全然うまく撮れていませんが、現役時に一流の成績を残した馬ばかり。現役時代を取材させてもらった馬も多くいます。

リーチザクラウン

 

ロゴタイプ

 

リアルインパクト

 

ジャスタウェイ

 

キタサンブラック

 

マインドユアビスケッツ

 

ドレフォン

 

サトノダイヤモンド

 

エピファネイア

 

イスラボニータ

 

ドゥラメンテ

 

ハービンジャー

 

ロードカナロア

 

ダイワメジャー

 

レッドファルクス

 

オルフェーヴル

 

ハーツクライ

 

サトノクラウン

 

ノヴェリスト

 

キンシャサノキセキ

 

ルーラーシップ

 

キズナ

写真は順不同。どうですか。豪華でしょう。毎年、個人的にも取材へ行かせてもらっていますが、いっつも仕事を忘れていち競馬ファンに戻ってしまいます。僕はロードカナロアが大好きです。

今夏は悲しいニュースが続きました。ディープインパクト、キングカメハメハの2大巨頭が相次いでこの世を去りました。各競馬場に設置された記帳台には1カ月足らずの期間で約6万人が名前を書き記したといいます。ファン、関係者が受けた衝撃、抱いた喪失感の大きさは計り知れません。2頭とも、お墓ができるまではそれぞれが過ごしていた馬房に遺骨が安置されています。手を合わせて、真っ先に思い浮かんだ言葉が「ありがとう」でした。ディープ、キンカメの血が途絶えることなく繁栄していくことを願うばかりです。

ディープインパクトが過ごしていた馬房

 

キングカメハメハが過ごしていた馬房

こんな感じの2日間でした。すごく勉強になったので、今後の取材に生かしたいと思います。秋競馬も頑張ります。

【松田 直樹】

[2019年9月2日17時30分更新]

牧場見学中@日高

お久しぶりです。松田です。

最近、会社の公認アカウントでツイッターばっかりやっていたので、日記をサボって更新していませんでした。すみません。

 

先週で北海道開催が終わり、競馬は今週から秋シーズンに入ります。ですが、まだまだ僕の夏は終わりません。今も北海道に滞在しています。今日は毎年、JRAの厚意で行われるマスコミ向けの牧場見学ツアーに参加しています。

 

初日は日高地方へ。右を見れば海、左を見れば牧場地帯という、自然を感じられる最高のロケーションです。牧場が密集する馬産地には普段なかなか来られるわけではないので、日高に来てめっちゃテンションが上がっています。

てなわけで飛野牧場にお邪魔しました。

ダービー馬ロジャーバローズを生産した飛野牧場

ダービー馬ロジャーバローズの生まれ故郷です。

写真ではわかりにくいけど、厩舎の屋根には風見鶏ならぬ、〝風見馬〟が放牧中の馬たちを見守っています。

青と赤を基調にした建物は海外の牧場を思わせるおしゃれさ。厩舎内にはシャンデリアも飾られていました。牧場入り口の門をくぐれば手入れの行き届いた大きな松の木も。「牧場ですから、木にも手がかかっているということは、馬にはそれ以上に手がかかっているということですよ」と飛野正昭代表。和洋折衷な感じが非常におしゃれです。

飛野牧場は03年帝王賞優勝馬ネームヴァリューの出身地であることも有名ですが、飛野代表の馬に懸ける思いが超すごい。高校時代から海外の文献を読みあさり、強くて速い馬づくりに対する知見を広めてきました。社台グループの創始者である故・吉田善哉氏に心酔し、何度も一緒に海外へ渡ったそうです。「人と同じことをやるのは嫌。全て人より何でもやった」と、日高地方では初めて夜間放牧を取り入れるなど、革新的な試みを行ってきました。

若い頃から海外のセリカタログに記されている繁殖牝馬の血統を穴があくほど分析し、できる限りの投資を重ねて約50年。「20億円は使ったんじゃないかな」。ようやく出会ったのがロジャーバローズの母リトルブックです。同馬の半姉はG1・7勝馬ジェンティルドンナの母ドナブリーニ。牧場史上最高額の金額を投じて競り落とし、イギリスから日本に輸入されました。

限りなくジェンティルドンナに似た配合を求めてディープインパクトと交配され、期待通りの結果を出したのがロジャーバローズです。残念ながら故障引退で凱旋門賞挑戦はかないませんでしたが、レコード勝ちしたダービーのインパクトは衝撃的でした。飛野代表は「よく牧場に会いに行くんだけど、まだ馬が覚えてくれている。令和初のダービーをキングカメハメハ、ディープインパクト、ドゥラメンテよりも速い時計で勝ったんだから。いい種牡馬になると期待しているんだ」と目を輝かせます。

 

今年はロジャーバローズの全妹(父ディープインパクト)が2月19日に誕生しました。

ダービー馬の全妹、リトルブックの19

歩き姿は柔らかく、セレクトセールに出ていれば〝億超え〟はしていたと思われる品の良さもあります。

飛野牧場の営業部長〝テン〟

馬以外にもこんなにかわいい営業部長も。牧場に熊が現れたときは勇敢にも吠えて何十倍も大きい相手に立ち回ったそうです。

日本ダービーの優勝レイ

 

厩舎の中にはシャンデリア。おしゃれ

 

ロジャーバローズのダービー優勝記念帽子

 

次は三嶋牧場へ。

こちらは今年のダービー2着馬ダノンキングリー、今春の米3冠競走に参戦したマスターフェンサーなどを生産した日高の老舗牧場です。今年は他にもメイショウテンゲンが弥生賞を、ミッキーチャームが阪神牝馬SとクイーンSを勝つなど、生産馬が大活躍。遠ーーくに鹿が見えたり、開放感がある牧場でした。

メイショウベルーガの19(父ハーツクライ)

ダービー2着馬ダノンキングリーの半弟、マイグッドネスの19(父キングカメハメハ)

放牧中の馬たち

青い空、緑の芝

 

 

【松田 直樹】

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