競馬コラム「極ウマ日記」 | 極ウマ・プレミアム

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2019年9月20日の記事

[2019年9月20日21時29分更新]

コリアスプリント&カップ

牛山です。

既報の通り、今年は日本馬が招待されないという事態になりましたが、ソウル競馬場でコリアスプリント(韓国G1、国際リステッド、ダート1200㍍)、コリアカップ(同、ダート1800㍍)を取材してきました。もう2週間前のことになってしまいましたが、振り返らせてください。

コラム「南でも関でも」でも紹介したように、スプリントを制したのは1番人気に推された韓国馬ブルーチッパー(騸4、キム・ヨングァン)でした。

コリアスプリントを快勝した韓国のブルーチッパー(手前)

これで8戦7勝。トモに弱いところがあって3歳時は1戦もできませんでしたが(出走取り消しが1回)、4歳4月に復帰すると連勝街道まっしぐら。これで6連勝です。

ブルーチッパーの左からキム・ヨングァン調教師、チェ・ビョンブオーナー、ユ・ヒョンミョン騎手

チェ・ビョンブオーナーは「負担重量を考えると、もう韓国ではG1くらいしか出られないでしょうから、無理はできませんが海外遠征も考えなければなりませんね。今年は距離経験のあるスプリントに出ましたが、短距離馬ではないので、来年はカップを目指します」。

コリアカップを制した韓国のムナクチーフとムン・セヨン騎手

ブルーチッパーがスプリントに回り、主役不在となったコリアカップは、4番人気の韓国馬ムナクチーフ(牡4、キム・スングン)が2馬身半差の完勝。スローペースを嫌って向正面で先頭に立ち、そのまま押し切りました。韓国リーディングのムン・セヨン騎手のファインプレー。

優勝騎手インタビューを待つムン・セヨン騎手

今年は韓国ダービーも制したムン・セヨン騎手。ゴールの瞬間はダービー以上に吠えていました。インタビューもいつも以上にハイテンションで、かなりのロングインタビュー。

1番人気に推された米国のローンセーラー

カップの1番人気は米国馬ローンセーラー(牡4、T.アモス)。G3オクラホマダービーの勝ち馬。G1で3着2回、プリークネスS5着、BCクラシック6着など、2勝馬ながら、ひょっとするのかなと思わせる成績でしたが、10着に惨敗。日本や韓国の「砂」を克服するのは難しいようです。

昨年のカップ2着馬ながら3番人気だった韓国のトルコン

韓国馬のなかでは昨年2着のトルコン(牡5、ペ・デソン)が最上位の3番人気でしたが、末脚不発で5着止まりでした。え? 馬名が違う? いやいや、これを間違いと言われるのはちょっと…

トルコンは騎乗予定だったヨハン・ヴィクトワール騎手が負傷したため、「韓国のレジェンド」パク・テジョン騎手が1週前の調教から騎乗

3月のドバイWCに出走。日本で馬券が発売され、彼の馬名はローマ字表記のDolkongを日本語読みしたと思われる「ドルコン」になってしまいました。「ドルコング」にならなかっただけよかったですが、ハングル表記の発音は「トルコン」。ハングルの「平音」という子音は、語中や語尾では濁っても、語頭では濁らないという規則があるためです。
有名どころで説明すると地名の釜山。ローマ字表記はBusanですが、一般的なカタカナ表記はプサンですよね。「それならPusanでいいのでは?」と思った方。実際、昔の表記はPusanだったそうです。ところがハングルには語頭以外でも濁らない「激音」と呼ばれる子音もあり、それをローマ字で書き分けるための表記法の変更によりBusanとなりました。
最近は日本でも交通機関を中心にハングル表記が増えましたが、駅名もこの規則に従っているようです。例えば東京。併記されているハングルを韓国のローマ字表記で表すとDokyoになります。ご理解いただけましたでしょうか。

トルコンのゼッケン(1文字目が「トル」、腹帯で隠れている2文字目が「コン」)

ちなみにトルコンの馬名の意味は「小さくてかわいい」と登録されています。韓国語で「トル」は「石(いし)」、「コン」は「豆(まめ)」。直訳すれば「いしまめ」だと思うのですが、確かに米国産の牡馬にしては小柄な馬体。それをソウルから釜山に遠征した6月30日の帰国初戦で452キロまで減らしてしまいました。2カ月の休養で476キロまで戻しましたが、昨年より着順を落とす結果。スローペースだけが敗因ではなかったのかもしれません。

というわけで長々と書いてしまいましたが、翌日の話もお伝えしたので、もう少しお付き合いください(つづく)

【牛山 基康】

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